ガンダムSEED(アスキラ)&ガンダムOO(ロク刹)の二次創作小説サイトです。
2009/10/28 (Wed)
彼と彼女と僕の関係
「やっぱり素敵よねぇ、アスラン先輩とキラ先輩」
シンの隣に座るルナマリアが、クラスの前を通り過ぎていく二人の最上級生を見て、感嘆の溜息を零した。
シンは頬を染めるルナマリアを一瞥し、姉とその幼馴染み――と言うことは、自分にとってもそうなのだが――を横目で見ながら、ケッと心の中で唾を吐いた。
私立SEED学園高校は有数の進学校で、ここを卒業した者は余程のことがない限り、エリートコースを歩んで行くことになる。
ぽやぽやとして一見勉強ができなさそうなキラが、実は全国模試で毎回トップ10に入るほどの秀才だったせいで、勉強に関しては平凡だったシンは、中学最後の一年間のすべてを勉強に注ぎ込んで、やっと――しかもギリギリで――この学園に入学することができた。だが、苦労して入った高校で耳にしたのは、『姉と幼馴染みが学校公認の恋人』だという噂だった。
もともと中学時代からその手の噂に事欠かなかった二人だが、彼らがそれを否定していた上に、幼馴染み以上の親密さを匂わせていなかったおかげで、只の噂で片付けられていた。しかし、高校では肯定も否定もせず黙秘を貫き通したため、噂は肥大していき、シンが入学した頃にはすでに噂は断ち切れないほど根強く浸透していた。
「ねぇ、ホントにあの二人付き合ってないの?」
「ホントだって。あの二人の付き合ってる素振りなんか見たことないし」
ルナマリアが疑わしげな視線を向ければ、シンは不機嫌も顕わに吐き捨てるように返答した。
危なっかしいキラを支えるアスランの姿は、まるでお姫様を守る王子様か騎士のようで、傍から見ればこれ以上にない美男美女カップルに見えるのだろうが、シンにしてみれば幼い頃からの見慣れた光景であり、そんな噂が立つほど親密にも見えない。
確かに一般的に見れば、アスランが必要以上にキラを構い過ぎていると言われればそうなのかもしれない。だが、それはシンにも言えることであり、世間知らずなキラを外敵から守るには過保護にならざるを得なかったというのが現状だ。だから、他人の認識から多少ズレていようとも、三人にとってはそれが普通であり、日常なのだ。
(大体、アスランなんかじゃ役不足だ!)
シンをして『なんか』と言わしめるアスランは、全国模試第一位で生徒会長でもあり、シンが所属するバスケ部の主将を務め、今年度のインターハイでは準優勝という輝かしい成績を残した学園のスーパースターなのだが、シンにとってはこれだけの栄冠があっても、キラには相応しくないらしい。
(学校じゃ『学園のプリンス』なんて持てはやされてるらしいけど、オレからしたらキザなだけの男にしか見えないっての)
本性を良く知る相手だけに、アスランにだけはキラを渡せないとシンは改めて誓った。
その日はバスケ部の顧問が急な出張で不在となり、部活が中止となった。そのため、親友のレイの家で今日の授業で出された課題を済ませようと計画していた。さすがに進学校ということもあって、一つの授業で出される課題の量は半端ではなく、とてもシン一人では片付けられるものではなかったのだ。
だが、それもレイの用事が入ってしまった断念するしかなくなってしまった。
「ただいまー」
少し疲れ気味で家に帰ってみれば、いつもはある母からの返事がない。
玄関を見渡すと、母のサンダルがなくなっていて、買い物に出掛けたことを窺わせた。その代わりとでもいうように、キラのローファーの隣には自分より一回り大きいバスケットシューズが鎮座していて、シンは顔を顰めた。
いつもはアスランの家で勉強するくせに、今日に限ってはこちらの家にいるらしい。
シンの心中は穏やかではなかった。
シンは紅いシューズを脱ぎ散らかして玄関を上がり、冷蔵庫から500mlペットボトルのミネラルウォーターを取り出して、二階の自室に入った。
背負っていたバッグを少し乱暴にデスクの上に置くと、ちゃんとファスナーが閉じられていなかったのか、中身が一斉に飛び出して、本日出された課題を否応なしに思い出させた。溜息を吐いてそれらを片付けながら、ふとシンは動きを止めた。
(今って、キラもアスランもこの家にいるんだよな……)
そうだ。わざわざレイと課題をこなさなくても、ウチには秀才と名高い姉と幼馴染みがいるではないか。
シンだって、キラとアスランが小学生だった頃までは一緒に勉強をしていたのだ。そのうち二人が中学生になって、彼らとの学力差を見せつけられるようになり、いつの間にか疎遠になっていたが、これだけ訳のわからない課題が出されたのだから、同学年のレイと頭を悩ませるより、彼らに教わったほうが格段に早いに決っている。
シンはテキストを数冊掴み、キラの部屋へと向かった。
「キーラー、ちょっと教えてほしいんだけど……」
ノックをしないのはいつもと変わらない行動だったから、後で食らうであろう少々のお小言には目を瞑って、シンはドアを開けて――その瞬間、凍りついた。
目の前には口づけを交わす、姉と幼馴染み。更に、ブラウスの裾から差し込まれた幼馴染みの手が、普段は着やせしてわからないが、意外に豊満な姉の胸の膨らみ付近に添えられていて。
シンはドアノブに手を掛けたまま、言葉もなく、口を開閉させた。
キラも慌ててアスランから体を離し、青くなったり赤くなったりと、めまぐるしく顔色を変えている。只、アスランだけは動揺するキラを悠然と腕に抱き締めて、シンを振り仰いだ。
藍色の前髪を掻き揚げた際に晒された翡翠の瞳から、行為を邪魔されたことによる苛立ちを含んだ鋭い眼光が放たれて、シンは一瞬気圧された。
「シン、人の部屋に入るときは、ノックくらいしろ」
怯んだものの、アスランの厚顔ぶりにふつふつと怒りが込み上げる。
(ここ俺んちだし、それにこんな時間に鍵も掛けずにいたしてんのが悪いんだろ!)
と、シンはここにきて新たな問題に気付いた。
「――ってか、あんた、キラに何してんだーーっ!!」
シンの叫びが、ヤマト宅に響いた。
「――で?」
「『で』ってなんだ?」
アスランに質問を質問で返されて、シンはイライラしながら二人の向かい側に腰を降ろした。
「あんたら、付き合ってんだろ? いつからだよ」
アスランの腕に抱かれて、その胸に顔を伏せているキラの表情はわからないが、実の弟にこんな場面を見られて、きっと羞恥でいっぱいのはずだ。たぶん、話ができる状態ではないだろうから、シンは仕方なく努めて冷静にアスランと対峙する。
「いつから……? ああ、ちゃんと付き合いはじめたのは中三の終わりだったか。それ以前だってお互い好きだったし、俺もキラも別に言葉なんて必要なかったわけだが。まぁ、将来的なことを考えれば、きちんと言葉にしておかないと、な」
淡々とまるで他人事のようにシンの質問に答えるアスランからは、先ほどの場面を見られたことに対する恥ずかしいだとか、極りが悪いだとかいう一切の感情が読み取れない。ここまでくるといっそ清々しいが、シンははたとアスランの言葉に気になる箇所を見つけた。
「……将来、的――?」
「ん? 結婚に決ってるだろう」
「――――はぁぁぁぁっ!?」
「そんなに驚くなよ。お互いの両親はすでに了承済みだぞ」
つまり、それはシンだけが知らなかっただけで。
すでに二人は婚約を済ませ、両親にも挨拶をしていて、後は結納と結婚式と入籍だけだという事実に、シンの普段からあまり使わない脳はパンク寸前だった。
「ななななな、なんでっ? いつの間にっ!?」
「言ったら、お前はすんなり賛成したか? しないだろ?」
だから、シンが“姉離れ”するまで暫らく様子を見よう、と。
幸い、結婚は二人が大学を卒業してからだから、四年もあれば姉離れするには充分だろうと考えたのだという。
それからアスランは表情を引き締めると、「そんなことより」と前置きして、いつになく真剣な顔でシンを見据えた。
「シン、お前とは一度きちんと話さなければならないと思ってたんだ」
「アスラン……?」
恋人の胸元から顔を上げたキラが、不安げに瞳を揺らした。
アスランは唇に人差し指を当てて、「いいから、黙ってて」とキラを黙らせる。
「お前は異常に俺を敵視してるよな? 昔は『お兄ちゃん』って懐いてくれてたのに、どうしてだ? キラを取られるからって理由だけじゃないだろ?」
過去、シンにも目の前に座る幼馴染みを本当の兄のように慕っていた時期があった。カッコよくて、勉強ができて、スポーツを何でもこなすアスランは、シンにとっても自慢だった。
だが、いつの頃からか、アスランの存在が疎ましくなった。
(――ああ、あの時からだ……)
まだ二人が中学に上がる前、アスランが眠るキラに密やかにキスをしているのを目撃した、あの時から――。
今でこそキラを超える体格を手にしたシンだが、あの頃はまだ幼くて、何をするにもすぐに二人から置いて行かれて。
でも、キラはいつも手を差し伸べて待っていてくれた。
キラの中の一番はシンで、二番がアスラン。
だから、早く大きくなってキラを守れるようになりたかった。だって、この体では躓いたキラを支えてやることさえできないから。
それなのに、シンがキラを追い越す前に、キラの一番はアスランになっていて。
気付いた途端、仲良く微笑み合う二人を見るのが辛くなって、彼らが中学生なったのを切欠に二人から離れた。
それでも、尻尾を巻いて逃げるのは癪だから、アスランと同じバスケ部に入部して。
でも、それは幼馴染みに勝てない自分を再度、認識するだけだった。
(キラを取られたくない、誰にも――アスランでさえ……。キラは一生、オレが守るんだ!)
何でもできる、幼馴染みへの嫉妬――。
キラの口からアスランの名前が出るだけでイラついた。
キラを支えることも、慰めることも、我が侭を聞いてやることも、すべてはアスランの特権で、いつの間にかシンは不必要な存在になっていた。
せめて二人と同じ歳だったら、アスランに対抗できただろうか?
今でもキラに必要とされただろうか――?
「オレはあんたが憎いよ、アスランッ。何でもできて、何でも持ってるのに、オレからキラまで奪ってくあんたが!」
悔しい、悔しい、悔しいっ!!
どうやったって勝てない目の前の存在に、シンはいつだって叩きのめされてきた。
「……シン……」
キラの瞳が、悲しみに曇る。
「シン、お前が俺と比べて卑屈になってるなら、それは間違いだ」
「――なっっ!?」
「俺とお前じゃ、立場も関係も違う。お前がキラの弟で、俺が幼馴染みなのは今更どうしようもないし、覆らない。それなら、シンにはシンの、俺には俺の、キラを守る方法があってもいいんじゃないか? それに白状すると、俺だってお前に嫉妬してるよ」
「……えっ」
「俺の前じゃ、キラはいつだって二言目には『シン、シン』って……。弟とはいえ、嫉妬したくもなる」
「ちょっ――アスランッ。今、そんなこと言わなくてもいいじゃない!」
アスランの腕の中で真っ赤になって彼に抗議するキラの頬にアスランが口づけて宥める様子を、シンは呆然と見つめていた。
「キ、ラ?」
「ほら、キラ。いつも俺に言ってること、シンに言ってやったら?」
キラは未だ紅潮した顔で「うぅ……」と唸った後、口を開いた。
「だって、シンってば昔はいっつも一緒だったのに、今じゃこっちから話しかけなきゃ口も利いてくれないし、『お姉ちゃん』って呼んでたのだって、最近は『キラ』って呼び捨てにして……ちょっと、生意気だよ」
「キィラ、違うだろ? 『シンが俺たちから離れていったのが寂しかった』って言えよ」
くつくつと楽しそうにアスランが咽喉を震わせると、キラはキッとアスランを睨んだ。
「そうだよ、悪いっ!?」
「だそうだよ、シン。我らが姫は、両側に王子が傅(かしず)いていないと不満らしい」
苦笑しながら肩を竦めたアスランと機嫌を損ねたキラを、シンはいつもとは違う、酷く穏やかな心境で眺めていた。
キラがシンを必要ないなんて思ったのは、自分の思い違いだった。
キラは今でも、自分を必要としてくれている。
こんなにも、手を差し伸べてくれている。
もうあの頃のようには戻れないかもしれないけれど、それでもこれからは新しい関係を三人で結んでいける。――そう、素直に思えた。
「シン。僕は近い将来、この家を出てアスランと生きていくことになるけど。でも、シンとはずっと家族だから――たった一人の、弟だからね」
「うん、ありがとう」
「まぁ、世間一般には初恋は実らないって言うしな」
「ア、アスランッ、あんた、何言って――!」
「え、何、何? シン、好きな人いるの?」
焦るシンを尻目に、物知り顔のアスランと好奇心丸出しのキラ。
やはり、勘の鋭いこの幼馴染みはシンの気持ちに気付いていたらしい。
「内緒。俺とシンの秘密、だよな?」
「そ、そうだよ。男同士の秘密なんだ」
「えー、ずるいよ。僕だけ内緒なんてぇ」
キラがアスランに詰め寄るのを見ながら、シンは自分に追求が及ぶ前に部屋を出ることにした。
種を蒔いたのはアスランだし、彼なら何とか誤魔化してくれるだろうと確信して。
そして、シンは部屋を出る手前で、ふと足を止めた。
「あんたの初恋はどうなんだよ、アスラン?」
振り向き様、アスランに問いかけると、彼はにやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「言っただろ? 『世間一般には』って」
「……あー、さいですか……」
つまりは、キラがアスランの初恋で、アスランがキラの初恋。
なんて馬鹿馬鹿しい質問をしたのかと後悔しながら、シンは部屋のドアを閉めようとした。――が。
「――あ、そういえば、あんた、オレが帰ってきたこと知ってただろ?」
シンがこの部屋に入ってきたときの彼の態度があまりにも落ち着きすぎていたので、シンは不審に思っていたのだ。――いくらアスランが普段から憎たらしいくらい冷静沈着で厚顔無恥とはいえ。
ドアを閉める直前、衝撃の告白をしたシンに、アスランは惚けるように宙に視線を投げたが。
「アースーラーンー。ちょっと、それ、どういうこと! 僕は『シンが当分帰ってこないなら大丈夫だ』って、君が言うから安心してたのにっ。知ってたって……知ってたってっ!!」
「ちょっと待てっ。シンがこんなに早く帰ってきたのは、イレギュラーだ!」
「でも、でも、帰ってきたのは知ってたんでしょ!?」
「うっ。だ、だから、それは……」
「言い訳なんていいっ。途中で止めてくれれば、あんな恥ずかしいところ見られなくてもすんだのにぃ!!」
「一旦暴走した男の欲望が、そうそう簡単に止まるかっ!」
「開き直るなっ。あーもうっ、信じらんないよっ、アスラン!!」
馬鹿ップルがドアの向こうで喧嘩をしているのを聞き耳を立てながら、シンはくつくつと含み笑う。
(ま、これくらいなら許されるよな)
蟠りがなくなったとはいえ、今まで散々好い所を取られてきたアスランに対する、ちょっとした意趣返し。
いつになく、晴れやかな気分のシンだった――――。
シンは自他共に認める、シスコンだ。
おっとりとしていて、ふわふわと危なっかしく、それでいてプログラミング能力は他の追随を許さないほどの才能を持つ、天然素材な二つ年上の姉を守るのは、弟である自分の責務だと物心ついた頃から思ってきた。“死ぬまで彼女を守りたい”という気持ちは、すでに家族に対する親愛の情というよりも、恋に近い感情だというだ自覚もあるが、さすがに姉弟でそれはマズイだろうと思い至り、数年前にこの初恋を無理矢理心の奥深くにしまい込んだ。その代わりに、姉に近づく不埒な輩は容赦なく睨みを効かせ、自分のお眼鏡に適った相応しい人物が現れるまで、引き続き彼女を守り抜くことを決意したのだが―――……。
シンはリビングのドアを開けた途端、ガックリと膝を付いた。
「キ~ラ~、こういうときは出なくてもいいから」
「え? え? だって、インターフォンが二回鳴ったし……それに、新聞の集金だよ?」
シンの目の前には、バスタオル一枚を巻き付けた姉のキラが、インターフォンの受話器を握り締めていた。急いで風呂から出てきたのだろう、その肌には水滴が残っていて、何とも言えず官能的な姿だ。
シンは“父親が残業、母親は友人と出掛けている”という事実を忘れていた迂闊な自分を呪いたくなった。
二回目のインターフォンで気が付いて、慌てて部屋から飛び出してくれば、この状況。世間から若干――否、かなりズレている姉を守ろうと必死になっても、当の本人がこれではどうしようもない。
(何でこの人は、こんなに無防備なんだ……。あー、ヤバイ。頭痛がしてきた)
幾度となく注意しても直らない彼女の行動に怒りを通り越して呆れるばかりだが、こんなことでへこたれていては自覚のない姉を守ることなどできない。
それでも今日、何度目かになる溜息を吐いて項垂れていると、
「ねぇ、シン。集金の人、待ってるよ?」
急に間近でキラの声が聞こえた気がして、ハッと顔を上げると、膝を付いたシンの視線に合わせるように、しゃがんで自分の顔を覗き込む姉の視線とぶつかった。
先ほどまで風呂に入っていたせいか、いくぶん上気した頬とぷるんとした薄紅色の唇が目に入って、思わずドキンと心臓が高鳴る。少し視線を下げれば、バスタオルの裾から白くてしなやかな太腿が見えてしまって、大慌てでキラの肩を掴んで自分から引き離し、視線を逸らした。
「と、取りあえず集金のほうはオレが出るから、キラは風呂に戻って!」
「え、でもぉ……」
「『でも』じゃないっ」
キラの腕を取って立たせ、背中を押して風呂まで強制連行する。
いくらキラへの恋心を封印したとはいえ、未だ現在進行形で想い人であることに変わりはないのだ。その相手の艶姿を見せられて、反応しない男がいるだろうか。――キラにはいい加減、“男心”というものを学んでもらいたい。
「シン、顔が赤いよ。熱があるんじゃ……」
「ないっ。熱なんてないから!」
さすがに『あんたのせいだ』とは言えず、納得していないキラを脱衣所に押し込んで、バタンとドアを閉めるとその場にズルズルと座り込んだ。
(――勘弁してくれよぉ……。もういっそのこと、わざとだって言ってくれたほうがまだマシだって)
思わぬハプニングに集金のことも忘れて、シンは頭を抱えた。
おっとりとしていて、ふわふわと危なっかしく、それでいてプログラミング能力は他の追随を許さないほどの才能を持つ、天然素材な二つ年上の姉を守るのは、弟である自分の責務だと物心ついた頃から思ってきた。“死ぬまで彼女を守りたい”という気持ちは、すでに家族に対する親愛の情というよりも、恋に近い感情だというだ自覚もあるが、さすがに姉弟でそれはマズイだろうと思い至り、数年前にこの初恋を無理矢理心の奥深くにしまい込んだ。その代わりに、姉に近づく不埒な輩は容赦なく睨みを効かせ、自分のお眼鏡に適った相応しい人物が現れるまで、引き続き彼女を守り抜くことを決意したのだが―――……。
シンはリビングのドアを開けた途端、ガックリと膝を付いた。
「キ~ラ~、こういうときは出なくてもいいから」
「え? え? だって、インターフォンが二回鳴ったし……それに、新聞の集金だよ?」
シンの目の前には、バスタオル一枚を巻き付けた姉のキラが、インターフォンの受話器を握り締めていた。急いで風呂から出てきたのだろう、その肌には水滴が残っていて、何とも言えず官能的な姿だ。
シンは“父親が残業、母親は友人と出掛けている”という事実を忘れていた迂闊な自分を呪いたくなった。
二回目のインターフォンで気が付いて、慌てて部屋から飛び出してくれば、この状況。世間から若干――否、かなりズレている姉を守ろうと必死になっても、当の本人がこれではどうしようもない。
(何でこの人は、こんなに無防備なんだ……。あー、ヤバイ。頭痛がしてきた)
幾度となく注意しても直らない彼女の行動に怒りを通り越して呆れるばかりだが、こんなことでへこたれていては自覚のない姉を守ることなどできない。
それでも今日、何度目かになる溜息を吐いて項垂れていると、
「ねぇ、シン。集金の人、待ってるよ?」
急に間近でキラの声が聞こえた気がして、ハッと顔を上げると、膝を付いたシンの視線に合わせるように、しゃがんで自分の顔を覗き込む姉の視線とぶつかった。
先ほどまで風呂に入っていたせいか、いくぶん上気した頬とぷるんとした薄紅色の唇が目に入って、思わずドキンと心臓が高鳴る。少し視線を下げれば、バスタオルの裾から白くてしなやかな太腿が見えてしまって、大慌てでキラの肩を掴んで自分から引き離し、視線を逸らした。
「と、取りあえず集金のほうはオレが出るから、キラは風呂に戻って!」
「え、でもぉ……」
「『でも』じゃないっ」
キラの腕を取って立たせ、背中を押して風呂まで強制連行する。
いくらキラへの恋心を封印したとはいえ、未だ現在進行形で想い人であることに変わりはないのだ。その相手の艶姿を見せられて、反応しない男がいるだろうか。――キラにはいい加減、“男心”というものを学んでもらいたい。
「シン、顔が赤いよ。熱があるんじゃ……」
「ないっ。熱なんてないから!」
さすがに『あんたのせいだ』とは言えず、納得していないキラを脱衣所に押し込んで、バタンとドアを閉めるとその場にズルズルと座り込んだ。
(――勘弁してくれよぉ……。もういっそのこと、わざとだって言ってくれたほうがまだマシだって)
思わぬハプニングに集金のことも忘れて、シンは頭を抱えた。
彼と彼女と僕の関係
「やっぱり素敵よねぇ、アスラン先輩とキラ先輩」
シンの隣に座るルナマリアが、クラスの前を通り過ぎていく二人の最上級生を見て、感嘆の溜息を零した。
シンは頬を染めるルナマリアを一瞥し、姉とその幼馴染み――と言うことは、自分にとってもそうなのだが――を横目で見ながら、ケッと心の中で唾を吐いた。
私立SEED学園高校は有数の進学校で、ここを卒業した者は余程のことがない限り、エリートコースを歩んで行くことになる。
ぽやぽやとして一見勉強ができなさそうなキラが、実は全国模試で毎回トップ10に入るほどの秀才だったせいで、勉強に関しては平凡だったシンは、中学最後の一年間のすべてを勉強に注ぎ込んで、やっと――しかもギリギリで――この学園に入学することができた。だが、苦労して入った高校で耳にしたのは、『姉と幼馴染みが学校公認の恋人』だという噂だった。
もともと中学時代からその手の噂に事欠かなかった二人だが、彼らがそれを否定していた上に、幼馴染み以上の親密さを匂わせていなかったおかげで、只の噂で片付けられていた。しかし、高校では肯定も否定もせず黙秘を貫き通したため、噂は肥大していき、シンが入学した頃にはすでに噂は断ち切れないほど根強く浸透していた。
「ねぇ、ホントにあの二人付き合ってないの?」
「ホントだって。あの二人の付き合ってる素振りなんか見たことないし」
ルナマリアが疑わしげな視線を向ければ、シンは不機嫌も顕わに吐き捨てるように返答した。
危なっかしいキラを支えるアスランの姿は、まるでお姫様を守る王子様か騎士のようで、傍から見ればこれ以上にない美男美女カップルに見えるのだろうが、シンにしてみれば幼い頃からの見慣れた光景であり、そんな噂が立つほど親密にも見えない。
確かに一般的に見れば、アスランが必要以上にキラを構い過ぎていると言われればそうなのかもしれない。だが、それはシンにも言えることであり、世間知らずなキラを外敵から守るには過保護にならざるを得なかったというのが現状だ。だから、他人の認識から多少ズレていようとも、三人にとってはそれが普通であり、日常なのだ。
(大体、アスランなんかじゃ役不足だ!)
シンをして『なんか』と言わしめるアスランは、全国模試第一位で生徒会長でもあり、シンが所属するバスケ部の主将を務め、今年度のインターハイでは準優勝という輝かしい成績を残した学園のスーパースターなのだが、シンにとってはこれだけの栄冠があっても、キラには相応しくないらしい。
(学校じゃ『学園のプリンス』なんて持てはやされてるらしいけど、オレからしたらキザなだけの男にしか見えないっての)
本性を良く知る相手だけに、アスランにだけはキラを渡せないとシンは改めて誓った。
その日はバスケ部の顧問が急な出張で不在となり、部活が中止となった。そのため、親友のレイの家で今日の授業で出された課題を済ませようと計画していた。さすがに進学校ということもあって、一つの授業で出される課題の量は半端ではなく、とてもシン一人では片付けられるものではなかったのだ。
だが、それもレイの用事が入ってしまった断念するしかなくなってしまった。
「ただいまー」
少し疲れ気味で家に帰ってみれば、いつもはある母からの返事がない。
玄関を見渡すと、母のサンダルがなくなっていて、買い物に出掛けたことを窺わせた。その代わりとでもいうように、キラのローファーの隣には自分より一回り大きいバスケットシューズが鎮座していて、シンは顔を顰めた。
いつもはアスランの家で勉強するくせに、今日に限ってはこちらの家にいるらしい。
シンの心中は穏やかではなかった。
シンは紅いシューズを脱ぎ散らかして玄関を上がり、冷蔵庫から500mlペットボトルのミネラルウォーターを取り出して、二階の自室に入った。
背負っていたバッグを少し乱暴にデスクの上に置くと、ちゃんとファスナーが閉じられていなかったのか、中身が一斉に飛び出して、本日出された課題を否応なしに思い出させた。溜息を吐いてそれらを片付けながら、ふとシンは動きを止めた。
(今って、キラもアスランもこの家にいるんだよな……)
そうだ。わざわざレイと課題をこなさなくても、ウチには秀才と名高い姉と幼馴染みがいるではないか。
シンだって、キラとアスランが小学生だった頃までは一緒に勉強をしていたのだ。そのうち二人が中学生になって、彼らとの学力差を見せつけられるようになり、いつの間にか疎遠になっていたが、これだけ訳のわからない課題が出されたのだから、同学年のレイと頭を悩ませるより、彼らに教わったほうが格段に早いに決っている。
シンはテキストを数冊掴み、キラの部屋へと向かった。
「キーラー、ちょっと教えてほしいんだけど……」
ノックをしないのはいつもと変わらない行動だったから、後で食らうであろう少々のお小言には目を瞑って、シンはドアを開けて――その瞬間、凍りついた。
目の前には口づけを交わす、姉と幼馴染み。更に、ブラウスの裾から差し込まれた幼馴染みの手が、普段は着やせしてわからないが、意外に豊満な姉の胸の膨らみ付近に添えられていて。
シンはドアノブに手を掛けたまま、言葉もなく、口を開閉させた。
キラも慌ててアスランから体を離し、青くなったり赤くなったりと、めまぐるしく顔色を変えている。只、アスランだけは動揺するキラを悠然と腕に抱き締めて、シンを振り仰いだ。
藍色の前髪を掻き揚げた際に晒された翡翠の瞳から、行為を邪魔されたことによる苛立ちを含んだ鋭い眼光が放たれて、シンは一瞬気圧された。
「シン、人の部屋に入るときは、ノックくらいしろ」
怯んだものの、アスランの厚顔ぶりにふつふつと怒りが込み上げる。
(ここ俺んちだし、それにこんな時間に鍵も掛けずにいたしてんのが悪いんだろ!)
と、シンはここにきて新たな問題に気付いた。
「――ってか、あんた、キラに何してんだーーっ!!」
シンの叫びが、ヤマト宅に響いた。
「――で?」
「『で』ってなんだ?」
アスランに質問を質問で返されて、シンはイライラしながら二人の向かい側に腰を降ろした。
「あんたら、付き合ってんだろ? いつからだよ」
アスランの腕に抱かれて、その胸に顔を伏せているキラの表情はわからないが、実の弟にこんな場面を見られて、きっと羞恥でいっぱいのはずだ。たぶん、話ができる状態ではないだろうから、シンは仕方なく努めて冷静にアスランと対峙する。
「いつから……? ああ、ちゃんと付き合いはじめたのは中三の終わりだったか。それ以前だってお互い好きだったし、俺もキラも別に言葉なんて必要なかったわけだが。まぁ、将来的なことを考えれば、きちんと言葉にしておかないと、な」
淡々とまるで他人事のようにシンの質問に答えるアスランからは、先ほどの場面を見られたことに対する恥ずかしいだとか、極りが悪いだとかいう一切の感情が読み取れない。ここまでくるといっそ清々しいが、シンははたとアスランの言葉に気になる箇所を見つけた。
「……将来、的――?」
「ん? 結婚に決ってるだろう」
「――――はぁぁぁぁっ!?」
「そんなに驚くなよ。お互いの両親はすでに了承済みだぞ」
つまり、それはシンだけが知らなかっただけで。
すでに二人は婚約を済ませ、両親にも挨拶をしていて、後は結納と結婚式と入籍だけだという事実に、シンの普段からあまり使わない脳はパンク寸前だった。
「ななななな、なんでっ? いつの間にっ!?」
「言ったら、お前はすんなり賛成したか? しないだろ?」
だから、シンが“姉離れ”するまで暫らく様子を見よう、と。
幸い、結婚は二人が大学を卒業してからだから、四年もあれば姉離れするには充分だろうと考えたのだという。
それからアスランは表情を引き締めると、「そんなことより」と前置きして、いつになく真剣な顔でシンを見据えた。
「シン、お前とは一度きちんと話さなければならないと思ってたんだ」
「アスラン……?」
恋人の胸元から顔を上げたキラが、不安げに瞳を揺らした。
アスランは唇に人差し指を当てて、「いいから、黙ってて」とキラを黙らせる。
「お前は異常に俺を敵視してるよな? 昔は『お兄ちゃん』って懐いてくれてたのに、どうしてだ? キラを取られるからって理由だけじゃないだろ?」
過去、シンにも目の前に座る幼馴染みを本当の兄のように慕っていた時期があった。カッコよくて、勉強ができて、スポーツを何でもこなすアスランは、シンにとっても自慢だった。
だが、いつの頃からか、アスランの存在が疎ましくなった。
(――ああ、あの時からだ……)
まだ二人が中学に上がる前、アスランが眠るキラに密やかにキスをしているのを目撃した、あの時から――。
今でこそキラを超える体格を手にしたシンだが、あの頃はまだ幼くて、何をするにもすぐに二人から置いて行かれて。
でも、キラはいつも手を差し伸べて待っていてくれた。
キラの中の一番はシンで、二番がアスラン。
だから、早く大きくなってキラを守れるようになりたかった。だって、この体では躓いたキラを支えてやることさえできないから。
それなのに、シンがキラを追い越す前に、キラの一番はアスランになっていて。
気付いた途端、仲良く微笑み合う二人を見るのが辛くなって、彼らが中学生なったのを切欠に二人から離れた。
それでも、尻尾を巻いて逃げるのは癪だから、アスランと同じバスケ部に入部して。
でも、それは幼馴染みに勝てない自分を再度、認識するだけだった。
(キラを取られたくない、誰にも――アスランでさえ……。キラは一生、オレが守るんだ!)
何でもできる、幼馴染みへの嫉妬――。
キラの口からアスランの名前が出るだけでイラついた。
キラを支えることも、慰めることも、我が侭を聞いてやることも、すべてはアスランの特権で、いつの間にかシンは不必要な存在になっていた。
せめて二人と同じ歳だったら、アスランに対抗できただろうか?
今でもキラに必要とされただろうか――?
「オレはあんたが憎いよ、アスランッ。何でもできて、何でも持ってるのに、オレからキラまで奪ってくあんたが!」
悔しい、悔しい、悔しいっ!!
どうやったって勝てない目の前の存在に、シンはいつだって叩きのめされてきた。
「……シン……」
キラの瞳が、悲しみに曇る。
「シン、お前が俺と比べて卑屈になってるなら、それは間違いだ」
「――なっっ!?」
「俺とお前じゃ、立場も関係も違う。お前がキラの弟で、俺が幼馴染みなのは今更どうしようもないし、覆らない。それなら、シンにはシンの、俺には俺の、キラを守る方法があってもいいんじゃないか? それに白状すると、俺だってお前に嫉妬してるよ」
「……えっ」
「俺の前じゃ、キラはいつだって二言目には『シン、シン』って……。弟とはいえ、嫉妬したくもなる」
「ちょっ――アスランッ。今、そんなこと言わなくてもいいじゃない!」
アスランの腕の中で真っ赤になって彼に抗議するキラの頬にアスランが口づけて宥める様子を、シンは呆然と見つめていた。
「キ、ラ?」
「ほら、キラ。いつも俺に言ってること、シンに言ってやったら?」
キラは未だ紅潮した顔で「うぅ……」と唸った後、口を開いた。
「だって、シンってば昔はいっつも一緒だったのに、今じゃこっちから話しかけなきゃ口も利いてくれないし、『お姉ちゃん』って呼んでたのだって、最近は『キラ』って呼び捨てにして……ちょっと、生意気だよ」
「キィラ、違うだろ? 『シンが俺たちから離れていったのが寂しかった』って言えよ」
くつくつと楽しそうにアスランが咽喉を震わせると、キラはキッとアスランを睨んだ。
「そうだよ、悪いっ!?」
「だそうだよ、シン。我らが姫は、両側に王子が傅(かしず)いていないと不満らしい」
苦笑しながら肩を竦めたアスランと機嫌を損ねたキラを、シンはいつもとは違う、酷く穏やかな心境で眺めていた。
キラがシンを必要ないなんて思ったのは、自分の思い違いだった。
キラは今でも、自分を必要としてくれている。
こんなにも、手を差し伸べてくれている。
もうあの頃のようには戻れないかもしれないけれど、それでもこれからは新しい関係を三人で結んでいける。――そう、素直に思えた。
「シン。僕は近い将来、この家を出てアスランと生きていくことになるけど。でも、シンとはずっと家族だから――たった一人の、弟だからね」
「うん、ありがとう」
「まぁ、世間一般には初恋は実らないって言うしな」
「ア、アスランッ、あんた、何言って――!」
「え、何、何? シン、好きな人いるの?」
焦るシンを尻目に、物知り顔のアスランと好奇心丸出しのキラ。
やはり、勘の鋭いこの幼馴染みはシンの気持ちに気付いていたらしい。
「内緒。俺とシンの秘密、だよな?」
「そ、そうだよ。男同士の秘密なんだ」
「えー、ずるいよ。僕だけ内緒なんてぇ」
キラがアスランに詰め寄るのを見ながら、シンは自分に追求が及ぶ前に部屋を出ることにした。
種を蒔いたのはアスランだし、彼なら何とか誤魔化してくれるだろうと確信して。
そして、シンは部屋を出る手前で、ふと足を止めた。
「あんたの初恋はどうなんだよ、アスラン?」
振り向き様、アスランに問いかけると、彼はにやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「言っただろ? 『世間一般には』って」
「……あー、さいですか……」
つまりは、キラがアスランの初恋で、アスランがキラの初恋。
なんて馬鹿馬鹿しい質問をしたのかと後悔しながら、シンは部屋のドアを閉めようとした。――が。
「――あ、そういえば、あんた、オレが帰ってきたこと知ってただろ?」
シンがこの部屋に入ってきたときの彼の態度があまりにも落ち着きすぎていたので、シンは不審に思っていたのだ。――いくらアスランが普段から憎たらしいくらい冷静沈着で厚顔無恥とはいえ。
ドアを閉める直前、衝撃の告白をしたシンに、アスランは惚けるように宙に視線を投げたが。
「アースーラーンー。ちょっと、それ、どういうこと! 僕は『シンが当分帰ってこないなら大丈夫だ』って、君が言うから安心してたのにっ。知ってたって……知ってたってっ!!」
「ちょっと待てっ。シンがこんなに早く帰ってきたのは、イレギュラーだ!」
「でも、でも、帰ってきたのは知ってたんでしょ!?」
「うっ。だ、だから、それは……」
「言い訳なんていいっ。途中で止めてくれれば、あんな恥ずかしいところ見られなくてもすんだのにぃ!!」
「一旦暴走した男の欲望が、そうそう簡単に止まるかっ!」
「開き直るなっ。あーもうっ、信じらんないよっ、アスラン!!」
馬鹿ップルがドアの向こうで喧嘩をしているのを聞き耳を立てながら、シンはくつくつと含み笑う。
(ま、これくらいなら許されるよな)
蟠りがなくなったとはいえ、今まで散々好い所を取られてきたアスランに対する、ちょっとした意趣返し。
いつになく、晴れやかな気分のシンだった――――。
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神里 美羽
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女性
趣味:
読書・カラオケ・妄想
自己紹介:
日々、アスキラとロク刹の妄想に精を出す腐女子です。
ロク刹は年の差カッポー好きの神里のツボを激しく突きまくりで、最早、瀕死状態。
アスキラはキラが可愛ければ何でもオッケーで、アスランはそんなキラを甘やかしてればいいと思います。
そんな私ですが、末永くお付き合いください。
ロク刹は年の差カッポー好きの神里のツボを激しく突きまくりで、最早、瀕死状態。
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