ガンダムSEED(アスキラ)&ガンダムOO(ロク刹)の二次創作小説サイトです。
2009/10/29 (Thu)
これほどまでにパーティが待ち遠しいなんて、初めてだった。
いつものように群がる女性達を笑顔でかわして、何度も会場と玄関ホールを行き来した。
忘れてしまったのか、とか、時間を言い間違えたかもしれない、と心配になる。
彼女の到着を待つ間、ずっと期待と不安で心が押し潰されそうで。
(――ああ、俺はこんなにも君に夢中なんだ……)
そんな自分に苦笑した。
いつものように群がる女性達を笑顔でかわして、何度も会場と玄関ホールを行き来した。
忘れてしまったのか、とか、時間を言い間違えたかもしれない、と心配になる。
彼女の到着を待つ間、ずっと期待と不安で心が押し潰されそうで。
(――ああ、俺はこんなにも君に夢中なんだ……)
そんな自分に苦笑した。
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2009/10/29 (Thu)
いつまでも玄関ホールで話をするのは失礼だからというキラの口添えのおかげで、アスラン達はとりあえず、ヤマト家の客間に通された。
そして、ソファに落ち着いたアスラン達の口から出た疑問は、なぜオーブにいるはずのキラがプラントにいるのか、だった。――冬休みが始まるだいぶ前から、『冬休み中はパーティ三昧だ』とカガリがぼやいていたことを知っていたから。
カガリの話によれば、今年、十六歳の誕生日を迎えた途端、キラの元に頻繁に縁談の話が舞い込むようになったのだという。しかも、パーティに顔を出す度に見知らぬ青年達に言い寄られ、果てはストーカー紛いの行動に出る者まで現われたことからプラントへ緊急避難してきたらしい。
不愉快さを滲ませるカガリと浮かない顔をしたキラを見て、アスランは顔を顰めた。
そして、ソファに落ち着いたアスラン達の口から出た疑問は、なぜオーブにいるはずのキラがプラントにいるのか、だった。――冬休みが始まるだいぶ前から、『冬休み中はパーティ三昧だ』とカガリがぼやいていたことを知っていたから。
カガリの話によれば、今年、十六歳の誕生日を迎えた途端、キラの元に頻繁に縁談の話が舞い込むようになったのだという。しかも、パーティに顔を出す度に見知らぬ青年達に言い寄られ、果てはストーカー紛いの行動に出る者まで現われたことからプラントへ緊急避難してきたらしい。
不愉快さを滲ませるカガリと浮かない顔をしたキラを見て、アスランは顔を顰めた。
2009/10/29 (Thu)
あの日、あのホテルで催されたパーティは幼馴染みの誕生日パーティただ一つだけだった。
アスランはあの少女について、幼馴染みに何度も問い質した。少女ほどの存在ならば目立つはずだし、着物を着ていた人物など、アスランが知る限り、あの会場には少女以外いなかったからだ。
しかし、幼馴染みは「知らない」の一点張りで、結局、アスランは引き下がるしかなかった。――最も、彼女の裏の性格を良く理解しているアスランは、その証言を信頼する気などなかったのだが。
その年の春、ザフト学園の中等部に在学していたアスランは、そのまま高等部へ進学した。
そして、夏が過ぎ、秋を越えて、再び少女と出遭った冬を迎えた。
アスランはあの少女について、幼馴染みに何度も問い質した。少女ほどの存在ならば目立つはずだし、着物を着ていた人物など、アスランが知る限り、あの会場には少女以外いなかったからだ。
しかし、幼馴染みは「知らない」の一点張りで、結局、アスランは引き下がるしかなかった。――最も、彼女の裏の性格を良く理解しているアスランは、その証言を信頼する気などなかったのだが。
その年の春、ザフト学園の中等部に在学していたアスランは、そのまま高等部へ進学した。
そして、夏が過ぎ、秋を越えて、再び少女と出遭った冬を迎えた。
2009/10/28 (Wed)
白み始めた、空――――。
数時間前まで暗かった部屋は柔らかな朝の光を受けて、薄っすらと明るい。
静まり返った部屋で、アスランは何度目かもわからない寝返りを打った。
「……眠れない」
原因はわかっていた。スースーと穏やかな寝息を立てる、隣のベッドの主だ。――否、正確には本当の主ではなかった。ひょんなことから数日になるか数ヶ月になるか見当もつかない男子校での生活を余儀なくされた、愛しい彼女。
何度も夜を共にしてきたはずなのに、こんなに緊張するのはどうしてだろう。
キラとは共通の知人のパーティで運命に導かれるように出遭い、一目で恋に落ちた。そのときはお互いの名前も素性も明かすことなく別れたが、アスランはキラをずっと忘れることができなかった。その後、偶然にもルームメイトから紹介された双子の妹というのがキラで、アスランはこの幸運を神に感謝した。その場で人目も憚らず口説いたのが、今から一年ほど前のことだ。
再びゴロンと寝返って隣のベッドを見遣れば、白い上掛けがこんもりと小さな山を作っている。
不意に彼女の寝顔を見たくなって静かに起き上がると、隣のベッドへと近づく。
「キラ……」
床に膝を突いて覗き込み、顔に掛かった前髪を梳きながら恋人の名を呟いた。
一昨日、海の見えるザラ家の別荘で一時の別れを惜しんで直前まで熱を交し合った恋人が、今アスランの目の前にいる。ラスティには『不謹慎だ』と言って強がって見せたが、この存在がこの場所にいることを本当は誰よりも嬉しく思っていて。眠ってしまったらすべてが夢になってしまいそうで、アスランは一睡もできなかった。
いっそのこと、キラの兄であるルームメイトがこのまま戻ってこなければいいのに……。
そんなことになれば一番困るのはキラなのに、そう思ってしまう自分に呆れるばかりだ。
アスランは自分の葛藤など知らずに幸せそうに眠るキラの隣に滑り込んだ。
(少しだけ……ほんの少しだけだから……)
自分にそう言い聞かせて、いつものようにキラを自分の胸元へと抱き寄せると、キラも無意識にアスランの胸に頬を摺り寄せ、アスランのパジャマをぎゅっと握り締めた。
「……アス……ラン」
吐息と共に吐き出した、自分を呼ぶ声。
愛しさが募って、キラの栗色の髪に口づけると、アスランは知らぬ間に眠りに堕ちていった。
目覚めたキラがいつの間にか同じベッドで眠るアスランを見て悲鳴を上げるまで、あと数時間――――。
数時間前まで暗かった部屋は柔らかな朝の光を受けて、薄っすらと明るい。
静まり返った部屋で、アスランは何度目かもわからない寝返りを打った。
「……眠れない」
原因はわかっていた。スースーと穏やかな寝息を立てる、隣のベッドの主だ。――否、正確には本当の主ではなかった。ひょんなことから数日になるか数ヶ月になるか見当もつかない男子校での生活を余儀なくされた、愛しい彼女。
何度も夜を共にしてきたはずなのに、こんなに緊張するのはどうしてだろう。
キラとは共通の知人のパーティで運命に導かれるように出遭い、一目で恋に落ちた。そのときはお互いの名前も素性も明かすことなく別れたが、アスランはキラをずっと忘れることができなかった。その後、偶然にもルームメイトから紹介された双子の妹というのがキラで、アスランはこの幸運を神に感謝した。その場で人目も憚らず口説いたのが、今から一年ほど前のことだ。
再びゴロンと寝返って隣のベッドを見遣れば、白い上掛けがこんもりと小さな山を作っている。
不意に彼女の寝顔を見たくなって静かに起き上がると、隣のベッドへと近づく。
「キラ……」
床に膝を突いて覗き込み、顔に掛かった前髪を梳きながら恋人の名を呟いた。
一昨日、海の見えるザラ家の別荘で一時の別れを惜しんで直前まで熱を交し合った恋人が、今アスランの目の前にいる。ラスティには『不謹慎だ』と言って強がって見せたが、この存在がこの場所にいることを本当は誰よりも嬉しく思っていて。眠ってしまったらすべてが夢になってしまいそうで、アスランは一睡もできなかった。
いっそのこと、キラの兄であるルームメイトがこのまま戻ってこなければいいのに……。
そんなことになれば一番困るのはキラなのに、そう思ってしまう自分に呆れるばかりだ。
アスランは自分の葛藤など知らずに幸せそうに眠るキラの隣に滑り込んだ。
(少しだけ……ほんの少しだけだから……)
自分にそう言い聞かせて、いつものようにキラを自分の胸元へと抱き寄せると、キラも無意識にアスランの胸に頬を摺り寄せ、アスランのパジャマをぎゅっと握り締めた。
「……アス……ラン」
吐息と共に吐き出した、自分を呼ぶ声。
愛しさが募って、キラの栗色の髪に口づけると、アスランは知らぬ間に眠りに堕ちていった。
目覚めたキラがいつの間にか同じベッドで眠るアスランを見て悲鳴を上げるまで、あと数時間――――。
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HN:
神里 美羽
性別:
女性
趣味:
読書・カラオケ・妄想
自己紹介:
日々、アスキラとロク刹の妄想に精を出す腐女子です。
ロク刹は年の差カッポー好きの神里のツボを激しく突きまくりで、最早、瀕死状態。
アスキラはキラが可愛ければ何でもオッケーで、アスランはそんなキラを甘やかしてればいいと思います。
そんな私ですが、末永くお付き合いください。
ロク刹は年の差カッポー好きの神里のツボを激しく突きまくりで、最早、瀕死状態。
アスキラはキラが可愛ければ何でもオッケーで、アスランはそんなキラを甘やかしてればいいと思います。
そんな私ですが、末永くお付き合いください。
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